コーチング/コーチング基本知識

質問上手な人が仕事ができる理由

部下やメンバーのパフォーマンスを上げるには、ちょっとした質問の仕方に工夫があります。そのコツをご紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

そのときあなたは何を聞きたい?

質問,コーチング

あなたはどんな質問をしているか?

仕事でミスをしたとき、あなたの頭に浮かぶのはどんな言葉でしょうか?

「どうしてこんなことになってしまったんだ?」
「なぜこんな簡単な間違いをしたんだろう?」
「このことを知ったら上司はなんて言うだろう?」

もしあなたがこうした自問自答をしがちだとしたら、気分はさらに滅入り、行動に踏み出すことも億劫になるはずです。このようなとき、あなたのパフォーマンスを上げ、いち早く効果的な行動へ後押しする質問とはどのようなものでしょうか。

自問自答する際に、もし上記のような質問を自分に投げかける傾向があるとしたら、同じような質問をあなたの部下やチームメンバーに投げかけている可能性があります。

実は自分自身に対して効果的な質問をできるリーダーは、周りに対してもポジティブな影響力を与える質問上手だと言えます。

質問のスタンスを変える

先ほどの例に戻りましょう。あなたやあなたの部下がミスをしたとき、どのような質問をすることでミスをチャンスに変えることができるでしょうか?

まず必要なのは質問のスタンスを明確にすることです。いくら質問の表現を変えたところで、スタンスが変わらなければ、相手に伝わる印象は変わりません。たとえば、先ほどの3つの質問のスタンスの例を挙げてみましょう。

「どうしてこんなことになってしまったんだ?」
「なぜこんな簡単な間違いをしたんだろう?」
「このことを知ったら上司はなんて言うだろう?」

これは、それぞれ、「被害者」、「批判者」、「否定的な未来」のスタンスです。もし、これを、「学習者」、「主体者」、「肯定的な未来」のスタンスの質問に変換するとこんな感じになります。

「今できる最善の行動は何だろうか?」
「同じようなミスをなくすためには今後どのような工夫ができるだろうか?」
「この出来事を通してさらに強固な信頼関係を築くためにできることは何だろうか?」

視点を増やす

視点は同時に複数持つことで可能性を広げ、思考や行動を促進することができます。例えば先ほどの3つの質問はいずれも「自分」の枠からでられず、次第に自らを苦しめることになります。こんなとき、たとえば「顧客」、「上司」、「第三者」の視点で考えるとどうでしょうか?

「自分が顧客だったら、まず何をして欲しいだろうか?」
「自分が上司ならどんな対応を指示するだろうか?」
「経験豊富なA先輩だったらどんなアドバイスをくれるだろうか?」

視点が増えると可能性や行動の選択肢が増え、行動が起こりやすくなります。このように質問を少し変えるだけで、状況の見え方、そしてそのときとれる行動がずいぶんと変わります。

では具体的に効果的な質問をするためのコツについてもう少し見てみましょう。

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